literature ~ボクの本棚 小説~

只今  ショートショートをメインに書いてます。
literature ~ボクの本棚 小説~ TOP  >  借金返済ゲーム >  借金返済ゲーム <後編>

借金返済ゲーム <後編>


中に入るとモニターにマスクの男が映り声が聞こえた。
「石塚さま、松本さま ゲームを始めましょう」
----- 借金返済ゲーム <前編> -----


松本!?...
よく見ると部屋の隅に一人の男がいた。
そして、中央にはテーブルとイスがある。

「お二人共、そこのイスに お座り下さい」
と言い『ハデス』と名乗るモニターの男はゲームの説明を始めた。

最初にテーブルにある1~10のボタンから1つ選ぶ。
これが【命の番号】となる。
そして順番に攻撃し、相手の【命の番号】を当てたら勝ち。
途中1度だけ攻撃をパスして【命の番号】を変更することが出来る。

頭の悪い俺にも理解できるルールだった。
しかし問題なのは負けたら勝った方の借金を背負うってことだ。
お互い借金が5,000万円
勝ったら 0 負けたら倍の借金になる。

「さぁ、それでは【命の番号】を設定して下さい」
と、ハデスが言うと 松本が
「こういう時はラッキー7だな。...あっ」
わざとらしく言った。
俺は自分の【命の番号】を 3 に設定した。

「お互い設定が終わったので先攻を決めます」
と、ハデスが言うとモニターにルーレットが映った。
ルーレットは俺で止まり、ハデスが言う。
「先攻は 石塚さま に決定しました。攻撃する番号を選んで下さい」

俺は松本がわざとらしく言った 7 を選んだ。
モニターには miss と表示された。
何番を攻撃したかは相手にはわからないみたいだ。
すると松本が言った。
「今 君は 7番を攻撃したんじゃないかな?」
俺は無言でいた。松本が続けて言う
「そして【命の番号】も 7番以外でしょう」

そっちが本当の目的か...
最初から九択にするためか。



お互い【命の番号】は当たらず5回目の攻撃
俺は【命の番号】を変更することにした。
モニターには miss と表示された。

【命の番号】を変更しても相手には気付かれないんだ。
もしかしたら松本は すでに変更しているかもしれない。

「意外と長引きますね」
と、松本は余裕の表情を浮かべた。
俺は直感で松本は【命の番号】を変更してると感じた。

松本の攻撃が終わり俺の順番だ。
【命の番号】を変更したなら、これにしてるはず。


モニターに hit と表示された。

「おめでとうございます。石塚さまの勝利です」
と、ハデスが言うとスーツの男が2人部屋に入ってきた。
松本は男達に別の部屋に連れて行かれた。

「これで、石塚さまの借金は完全になくなりました」
と、ハデスが言うとスーツの男が近づいてきた。
そして、俺に一枚の紙を渡した。

内容は俺の借金を松本が払うという証明書だった。

俺は借金から解放された。
松本は いったいどうなるんだ!?
いや、他人(ひと)の心配なんてしてられない。
これからは真面目に働こう。

もう2度と借金はしないようにしよう。

コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する